オープンアクセスとは
オープンアクセスとは、学術論文に対して誰もがインターネットを介して無料でアクセスして利用できるようにすることです。研究成果の共有と再利用が進むことで、研究の発展を推し進めることにもつながります。また、著者にとってもメリットがあります。
- より早く多くの研究者が公開された論文を閲覧可能となり、論文が引用される可能性が高まります。
- 研究成果を社会に還元することができます。
- インターネットにつなげば、自分の論文をいつでも確認することができます。
- 学術誌を購読する立場になかった潜在的読者が、発見の糸口を見つけられ、分野間の所属に関係ない発見を導き出すことが可能になります。
論文をオープンアクセスにするには
オープンアクセス実現の方法としては、次の2つがあります。
【グリーン・オープンアクセス(セルフアーカイブ)】
機関リポジトリ等で論文をオープンアクセスにします(ジャーナルによって公開条件が付く場合があります)。朝日大学に所属する者(朝日大学機関リポジトリ運用指針第5条(登録者))は、朝日大学機関リポジトリに論文を登録することができます。
朝日大学機関リポジトリ https://asahi-u.repo.nii.ac.jp/
- Google ScholarやCiNiiなどのデータベースにも収録されます。
- 恒久的URLが付与されるため、永続的なアクセスが保証されます。
【ゴールド・オープンアクセス(オープンアクセス出版)】
APC(Article Processing Charge, 論文投稿料)を支払う等により、ジャーナルのオープンアクセスオプションを選択し、論文を出版と同時にオープンアクセスにすることができます。
オープンアクセス出版を行うジャーナルの中には、APCの収益を目的とした粗悪な学術誌(いわゆる「ハゲタカジャーナル」)も存在しますので十分にご注意ください。
ハゲタカジャーナル(Predatory Journal)に関する注意喚起 (ジャーナルへ投稿を検討する際に確認、参照するとよいサイト)
日本においても、公的助成を受けた研究のオープンアクセス化への取り組みが始まっています。
オープンアクセス推進に関する政府の動向
2023年5月12~14日 G7科学技術大臣会合(仙台)
2023年5月19~21日 G7サミット(広島)
2023年6月9日閣議決定 統合イノベーション戦略2023
2023年10月30 CSTI有識者会議 公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方
2024年2月16日 CSTI公表 学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針「OA基本方針」 https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001219947.pdf
2024年2月21日 関係府省申合せ 「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」(統合イノベーション戦略推進会議 令和6年2月 16 日決定)の実施にあたっての具体的方策https://www8.cao.go.jp/cstp/openscience/r6_0221/hosaku.pdf
2025年度 新規公募分から、学術論文等の即時オープンアクセス開始
2025年度(当初までに) 出版社との次期契約の合意に至る(目標)
- 「我が国の学術情報流通における課題への対応について(審議まとめ)」(令和3年2月12日 科学技術・学術審議会 情報委員会 ジャーナル問題検討部会) https://www.mext.go.jp/content/20210212-mxt_jyohoka01-000012731_1.pdf
世界のオープンアクセスの流れ
・オープンアクセスをめぐる動き ベルリン宣言採択(カレントアウェアネス-E No.26 2003.11.19)https://current.ndl.go.jp/e144
・動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 国立情報学研究所
オープンサイエンス基盤研究センター船守美穂 カレントアウェアネス-E No.346 2020.12.20 https://current.ndl.go.jp/ca1990
・MIT (Massachusetts Institute of Technology)、マサチューセッツ工科大学) Pressは、3月2日、OA(オープンアクセス)モノグラフのための新たなフレームワーク"D2O(Direct to Open)"の開始を発表[ニュースソース]The MIT Press launches Direct to Open ― MIT Press 2021/03/02 (accessed 2021-03-03)