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オープンアクセスジャーナルに論文を投稿する際には

オープンアクセスジャーナルに論文を投稿する際には、十分ご注意ください。

 

ハゲタカジャーナル(predatory journal)とは?

査読誌であることをうたいながら、著者から論文投稿料(APC)を得ることのみを目的として、適切な査読を行わない、低品質かつ悪質なオープン

アクセス形式のジャーナルです。 昨今、急激に増加しており、注意が必要です。

 

起こりうるトラブルとは?

  • 投稿後にハゲタカジャーナルだと気づいても、論文の撤回が認められず、他の雑誌へ再度投稿することができない。
  • 突然ホームページがなくなり、論文を閲覧できなくなる可能性がある。
  • 著者のキャリアの毀損
  • 所属機関の評価の低下
  • 査読ジャーナルの形骸化

 

トラブルに巻き込まれないためには?

投稿する前に、ハゲタカジャーナルか否かを、十分見極める必要があります。

しかし、ハゲタカジャーナルは増殖と消滅を繰り返し、常に変化しており、ある時点でハゲタカジャーナルとされていたものが、後に健全な学術雑誌として

成長する可能性もあるのです。

そのため、ハゲタカジャーナルの特徴を十分理解し、投稿したい雑誌をチェックする必要があります。

ハゲタカジャーナルの特徴

  1.  投稿料金(APC)   事前に具体的な金額の明示がない (高額とは限らない)
  2.  出版スピード      非常に速い(2~3週間)  適切な査読があれば3か月~1年はかかるはず
  3.  長期保存         されない。気が付いたら閲覧できなくなっている
  4.  識別子          DOIが付与されていない (DOIを模した識別子SOIまで登場している)
  5.  ジャーナルタイトル  正規のジャーナル名に似せていることが多い
  6.  住所や連絡先      非表示または偽装
  7.  査読           欠落、欠陥あり 掲載されている論文に、スペルミスや文法ミスが見受けられる
  8.  マーケティング手法 スパムメールの多用、SEO対策検索結果で自社サイトを多く露出をするために行う対策(検索エンジン最適化)
  9.  APCの請求      受理(アクセプト)よりも前に請求
  10.  ホームページの外観 立派、または稚拙
  11.  巻号           発刊予定の号が未刊、バックナンバーがランダム
  12.  編集委員        勝手に名前を利用

 

ジャーナルへ投稿を検討する際に確認、参照するとよいサイト

「Think Check Submit」http://thinkchecksubmit.org/

 

 [1] ジャーナルへ投稿を検討する際のチェックリスト

    https://thinkchecksubmit.org/journals/

 

[2] 投稿予定の雑誌が信頼性の高いデータベースに収録されているか

  ホワイトリストとしてお使いいただけるもの

   ・ DOAJ  https://doaj.org/

 ・ Web of Science の収録雑誌  https://mjl.clarivate.com/home

 ・ SCOPUS の収録雑誌  

[3] 投稿予定の雑誌の出版社が以下の団体に登録されているか 

   ・  COPE(Committee on Publication Ethics  https://publicationethics.org/

COPEメンバー検索画面 https://publicationethics.org/members

・  OASPA(Open Access Scholary Publisher's Association https://oaspa.org/

  メンバー - オスパ (oaspa.org)  https://oaspa.org/membership/members/

新手のハゲタカジャーナルにご注意ください。

   ハイジャック・クローンジャーナル: 正規のジャーナルをハイジャックし、タイトルやISSNが同じなため、両者の区別が困難です。 

  バニティ・ジャーナル: 研究者にAmazon等で自費出版させます。コストは出版社が負担してくれますが、著作権や売り上げを搾取されます。

ご参考まで

 ブラックリスト

      ・ Beall’s List  https://beallslist.net/

  2017年1月閉鎖 今でも匿名の有志により引き継がれ、更新中 (無料)

・ Cabell’s List https://www2.cabells.com/

  4半期ごとにリスト更新あり ビールズリストの後継リスト (有料:本学契約なし)

 参考文献

     [1]粗悪な学術誌に盗用論文207本 インドの研究機関所属の複数研究者 | 毎日新聞 (mainichi.jp)(毎日新聞2022年9月16日記事)

     [2] あなたの研究を粗悪なジャーナルに発表する5つの(悪い)理由 - クラーク - 2017 -  (wiley.com) J Adv Nurs.2017 73(11)2499-2501.

     [3] Grudniewicz A, Moher D, Cobey KD, et al. 2019. Predatory journals: no definition, no defence. Nature, 576, 210-212.

     [4] Richtig G, Berger M, Lange-Asschenfeldt B, Aberer W, Richtig E. 2018. Problems and challenges of predatory journals.

        Journal of the European Academy of Dermatology & Venereology, 32, 1441-1449.

     [5] 文部科学省、科学技術・学術審議会情報委員会(第21回)の配布資料を公開:大学におけるAPC支払やハゲタカジャーナル等への対応状況に関する調査

        結果も カレントアウェアネス・ポータルPosted 2021年11月5